ひまわりと飛行機
「医療の受け手である患者さん、その家族、消費者などが扱う『情報』って??」・・・。そんなことを主なテーマに綴っていきます。その他、色々活用する予定です。


プロフィール

yoko

Author:yoko
看護師免許取得後、都内で大学院生をやっております。現在、修士論文執筆真っ最中です。

自分の専門分野のキーワードは、「(医療の受け手が使う)健康・医療情報」「より良い意思決定」「コミュニケーション」「インターネット」「看護」といったところです。
現在執筆中の修士論文は、患者さん同士のオンラインコミュニティに着目しました。その利用実態と意義の一端を明らかにすることを目指して、目下執筆中です。

そしてこの先は、Consumer Health Informatics(消費者のための健康情報学)を、深めていきたいと思っています。同時に、「医療の消費者(患者や家族等)の、より良い意思決定のために看護師が行う情報支援」について、考えられるようになりたいと思っています。

消費者健康情報学のことや看護支援、研究のことなどなど、このブログを活用し、色々発信しながら自分も勉強していきたいと思っています。2008.10.31更新



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[コラム] あるヘルスキャンペーンに思うこと
先月、グラマラスという20代後半向けの自称ファッション&ビューティ雑誌に、
カメラマンの蜷川実花氏が撮影した女性モデル・タレント10名のセミヌード写真が掲載されました。

乳がん撲滅(ピンクリボン)キャンペーンの一環だそうです。

はたしてセミヌードの写真の掲載が、乳がん撲滅運動に結びつくのか、
その行為に対する疑問や怒りの声でピンクリボン事務局のブログが炎上しているとの話を、
知人から伺いました。

このニュースは、ヘルスコミュニケーションを学んでいるものとして非常に考えさせられると同時に、
何より、当事者の気持ちを逆なでするような写真の掲載を行った側の、想像力の欠如を
とても腹立たしく感じました。

この写真の掲載をヘルスキャンペーンとするかどうかも疑問ではありますが、
写真という媒体を通じて、人々に対して
何らかの健康関連のメッセージを送りたいという意図があるとすれば、
これは一つのヘルスキャンペーンとみなすことができると思います。

けれど、このヘルスキャンペーンは、
「誰を相手に、どのようにメッセージを発信することが効果的で、かつ安全であるか」
ということについて、深く吟味していないことに、大きな欠点あると思います。
また、「当事者の視点」に対する配慮がまったく見られないことが、致命的です。

当事者にしてみれば、このニュースは、憤り以外の何物でもないでしょう。
個人的にも、日々、乳がん体験者の方々に多くのところから支援をいただいて
二人三脚で色々取り組ませていただいているので、
このニュースと、当事者のコメントを読んで、怒りと悲しさで胸がいっぱいになりました。

そして、あまり想像したくないことですが、
このキャンペーンに研究的な立場の人間が加担しているとしたら、
それはもう、当事者に申し訳ないし、同じく研究をする者として、非常に恥ずかしいです。

こうやってヘルスキャンペーンを張るのであれば、
きちんと「このヘルスキャンペーンによって、どのくらいの人にどんな効果があったのか
(具体的には、乳がんに対する意識の変化や、検診受診率の向上などが、どの程度あったのか)」
ということを、きちんと評価すべきですし、
そういった効果が見込めないのであれば、こんな無神経なキャンペーンは行うべきではない・・・
そう思います。
何より、ヘルスキャンペーンに関係する人々
(ヘルスコミュニケーション研究の分野ではaudienceという言い方をします)に、
危害を加えるなんてもってのほかでしょう。

今回、雑誌はすでに市場に出回っているので
事実をなかったことにすることはできませんが、
過去の事例からきちんと学ぶ…ということを、真摯に行うべきだと思います。
誰に責任があるのか・・・ということについても、引き続き考えていきたいと思います。

ピンクリボンの活動は、社会的にも知名度の高い、ヘルスキャンペーン活動として
広く認知されているものです。
看護SNSつながりの方に教えていただいたのですが、
40歳以上の女性にマンモフラフィを体験してもらうキャラバンを始動する等、
支援的な良い活動も、ピンクリボン活動の名のもとに行われています。
ピンクリボンは、せっかく世間から評価されているヘルスキャンペーン活動なのですから、
その名に恥じないような、そして社会に役立つような活動を、
行っていってほしいと、個人的には思いました。

ナースの皆様、このニュースなど、どう思われますか。
そしてナースの立場から、何が問題で、何ができると思われますか。
ナースが、社会に対して自分の職業的な立場からものを言っていくことは
今後必要だと思っています。
個人的にでも、ご意見を聞かせていただけると嬉しいです。


この記事に対するコメント

過去記事にコメントして申し訳ありません。
わたしは寺田真由美と申します。乳がん患者です。

今回、yokoさんが記事にお書きになった「グラマラス」の写真集について抗議の署名活動をはじめました。「乳がん撲滅」の名のもと患者への配慮をかいた企画が安直としか思えない形で実施されたこと、さらにそれによって集められた寄付金に関する詳細が非常にあやふやであることなど、見過ごすわけにはいかない問題点が多々あると考えたからです。
くわしくは会のホームページをどうかご覧ください。署名用紙もダウンロードできます。ブログも更新中です。
http://www.ne.jp/asahi/call-for-pink-charity-accountability/2008/index.html

もし趣旨にご賛同いただけるようでしたら、なんらかの形でご支援・ご協力をいただければ幸いです。

『グラマラス』の乳がん撲滅チャリティ・ヌードに抗議する会
寺田真由美

【2008/06/23 12:08】 URL | てらだ #- [ 編集]



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